2022年10月30日

今巷で大流行のアレのように,それまであった世界の境界が次第に破壊されていくのは,自分が音楽理論の発展に見出しているものと共通しており,だから自分にとっては嬉しいことなのだけど,それでも安らかにはなれないのだろうな,と思った.それはただ自分が安らかさを失うというのではなく,むしろ様々な他人が一斉に安らかさを失うのを目の当たりにしてしまう,という意味でだ.
そういった世界の中で,自分がいつまで気力を保っていられるか,より有益でより未知である表現の獲得を信じて,そのシステムの利用法を考えるという唯一自分がなしうる営み(自分には考える事しかできないから)をどこまで放棄せずにいられるかについては,とても怪しいと思う.見られないものは存在しないのとほとんど変わらない.