2025年9月29日

「今が一番若い」という当たり前すぎる言葉で奮起できたのは,もうずいぶん前だと思う.やりたいときにやりたいことをやればいい,そうできるかどうかはともかく,若さのサ終に焦るくらいならその規範を持っていた方がまだましなのだろうかという,肌感覚というか,がある.人生100年時代のぼくのさいきょうのじんせいけいかくを立てても,翌日というあくまでも可能的な時の,ほんの隅の隅であってもその一部を確実に占有しているもの,例えば失職,死,一家没落,空からの大魔王襲来,などが,別に消えたことにはならない.これが,かもしれない運転,なのかもしれない.

「今が一番若い」という文言が使用されるとき,「若い」に価値的なニュアンスが全く含まれていないと言えば,嘘になると思う.

価値は劇物で,価値の体系を増やすことで,暗に陽に,他人に大小の銃口を向けることができる.そうしていつ自分に向くとも分からない銃口を増やしていくのは,なんというか,超人的ですね,と毎回感じてしまう(スカスカ感想終了).私も日々皆さんに価値を見出してしまっていることに陳謝しながら,この文章はおしまい.

ダイレクト・メッセージ

ここ数か月はそうでもなくなってきたが,長い間,メール・LINE・DMといったメッセージ全般に対する返信は,とても苦しみを伴う行為だった.今でも,かなり勇気がいる.「返信が嫌」とかそんな高度なレベルではなく,そもそも何を返せば良いか悩み,文体・体裁などに異様に気を回し,それなのに文章にならない単語断片しか自分の脳内から現実世界に持ってくることができず,文章になりきれない文字列を書いては消すのを何日も繰り返して,そして最終的に7割くらいの確率で,苦しんで負ける.負けると,それは放置される.そんなことをしている間に,当然の結果として,小中学生時代の交流関係が全部失われたりした.

何となく「誤解を与えない無害な文章を書かなければならない」ということに対して,強迫的な意識がある気がする.

なぜだろう,と思ったので,昔を少しだけ思い返してみたら,そういえば自分は,高校の半ばあたりまで,とにかく酷い文面(文面が痛い・無思慮・内心垂れ流し・意味もなくテンションが高い・距離感がおかしい・その他100個のちくちく言葉がここに入る)ばかり書いていたな,と気付いた.要は,自分の当時の自然体の文章は終わっていて,おじさん構文ではないが,独自の「おじさん構文」をやっていたのだった.結果,「まともな文章」のエミュレートに恐ろしく時間を費やすことになったのだろうと推測した.ただ今となっては,さすがに昔ほど酷い文面は書きようがないし,自然体も多少マシになっているはずなので,もしかしたら過剰に時間を費やしているだけかもしれないけれど.

もっとも,今の文章も十分おかしいかもしれないわけで,実際,やっぱり自分は常に3年後の黒歴史を生きているな,というのは,このブログの編集ページに放置された3年くらい前の下書きを見ていると実感できる.ちなみに「3年後の黒歴史を…」という警戒心を初めて持ったのは5年くらい前だと思うが,これだけはまだ本当であり続けていて,よかった(よくはないですが).

おしまい.

2025年6月7日

皆さんも知っているように,この世界には既に社会や他者というシステムが存在しており,それらは滅私の基礎だ.

本当に苦しい.苦しいので,この国に(残念ながら)何百万人といるはずのそのような人々が最期に連帯し,この世界に対して一斉に蜂起できた(到底実現しそうにない)世界のことを,単なる妄想とは分かっているがつい想像してしまう.それはむしろ,現実にはそうはならないのだ,ということを噛みしめるための行為でもある.

以前,鍵アカウントでこのようなツイートをした.

多数派に対する抗議表明として,できるだけ「迷惑な」形での同時多発集団自殺を行わねばならない時代になっている

私は今でもこれは間違っていないと思っている.といっても,単なる抗議表明としてではなく,直接的な攻撃行動として,だが.

結局のところ,これも皆さんが知っているように,私やあなたがXやブログや新聞記事や学術雑誌や街頭演説でいくら心情を吐露したり論説を垂れたりしたところで,結局生についての既存規範は強大すぎるほど強大であり,そのような強大さの前では「非暴力的抵抗」レベルでは単なる「運動」としてラベリングされておしまい,世界はそのまま変わらず回っていくんですよ.生のファンの機嫌を取っている限り,生を廃絶することはできない.

何の話を書こうと思っていたのか忘れてしまったので,今日はここでおしまい.

目標 - 2025年

数理音楽理論の概説レクチャーを開催する

これは去年から言っている通りで,春までには用意を終わらせる.

Mathlog の数理音楽理論の記事を書き上げる

絶対放置することが目に見えているので,ここに書くことで釘をさしておく.といっても,ここに書くことがどれほどの効果があるかは怪しいですが……(過去ここに書いたことがいかに実行されなかったかを思うと)

数学のテキストを書き上げる

入門者向けの述語論理・集合論講義ノートを書く.今年は新入生に数学を教える用事ができたので,この作業は春先までには終わらせておかねばならない.元々線形代数を教える予定だったのだけど,そこまで書けるだろうか?
自分は,数学の現代化と数学的イメージの醸成とは相反する事柄ではなく,両立可能なことだと思っていて,自分はこの新入生向けの講義に,それをどれだけ実行できるかの試金石としての意味を持たせている.

読む本

自分の集中力の散漫さを考えると,読む本をもう決めておいた方がいいという結論に至ったので,リストアップしておく.2~3年以内に読んでおきたい.自分はどの分野についても何も知らないので,入門書が多め.より進んだ専門書やエッセイ的な本はしばらく保留という形にする.

知覚の哲学

  • Fish, W. (2021). Philosophy of Perception: A Contemporary Introduction (2nd ed.). Routledge.
  • Hasan, A. (2017). A Critical Introduction to the Epistemology of Perception. Bloomsbury.
  • Rodríguez, S. S. (2022). The Ontology of Perceptual Experience. Lexington Press.
  • Nanay, B. (2016). Aesthetics as Philosophy of Perception. Oxford University Press.

時間

  • Phillops, M. & Sergeant, M. (Eds.) (2022). Music and Time: Psychology, Philosophy, Practice. The Boydell Press.
  • Starr, G. G. (2023). Just in Time: Neuroscience and the Temporality of Aesthetic Experience. MIT Press.

記憶

  • Fernández, J. (2019). Memory: A Self-Referential Account. Oxford University Press.
  • Sant'Anna, A., McCarroll, C. J. & Michaelian, K. (Eds.). (2023). Current Controversies in Philosophy of Memory. Routledge.

  • Beaudoin, R. (2024). Sound as They Are: The Unwritten Music in Classical Recordings. Oxford University Press.

現象学

  • Gallagher, S., & Zahavi, D. (2021). The Phenomenological Mind (3rd ed.). Routledge.
  • Hopp, W. (2020). Phenomenology: A Contemporary Introduction. Routledge.

科学哲学

  • Rosenberg, A. & McIntyre L. (2020). Philosophy of Science: A Contemporary Introduction (4th ed.). Routledge.
  • Shan, Y. (Ed.). (2023). New Philosophical Perspectives on Scientifc Progress. Routledge.
  • Kuipers, T. A. F. (2000). From Instrumentalism to Constructive Realism: On Some Relations between Confirmation, Empirical Progress, and Truth Approximation. Springer Science+Business Media.

アニソン視聴

結局去年はほぼ聴けなかったのだが,そのありさまでも,初めて知った著名なアーティストたちが何人もいたので(例:キタニタツヤ,DIALOGUE+,100回嘔吐,ZAQ),やはりポップスのシーンを知るにもそれなりに有効なのだと思う.ので,今年はより集中的に聴いていきたい.

中世・ルネサンス音楽

最近聴くようになったので,聴き続ける.ただ聖歌(単旋律聖歌)周りが全く分からないのでどうにかしたい.Western Plainchant in the First Millennium とか読めばいいんでしょうか.

作品を2か月に1作は作る

作品は作ろうと思うといつまでも作り続けられてしまう.現代美術・パフォーマンスの制作であっても,理論的支柱はもちろん重要だが,結局数をこなすことが重要であることは最近気付いてきた.

2024年8月31日

殺さないといけないと分かっていて、にもかかわらずそれを時々忘れて、結局痛い目を見るということが多く、我ながらそこはそそっかしいと思う。どうしようもないほど哀れになってしまった人間に対して哀れだ~と思って騙し騙し溜飲を下げるだけでは解決しないことは山ほど存在するわけで、そうした時は早く覚悟を決めなければならない。

2024年3月8日

最近数学のノートを(簡易的なものだが)再び書き始めた.自分にとってノートというのは怨念のようなものだ.

自分が遅いのは,本を読み切るとか,分野を修得する,作品を作るとかそういった個別の事ではなくて,生きること自体だということに確信を持てるようになってきた.生きるのが遅いのは諦めるしかない.ただその分生きれなければフェアではないわけで,「その時」が来たら200歳ごろまで生きようと思います.自分の人生を独り占めして,子孫を残さないのが一番いい.

align(*)を含む環境定義のエラーを回避する

エラーの出る例

\newenvironment{myalign}%
  {\begin{theorem}\begin{align}}%
  {\end{align}\end{theorem}}

\csname...\endcsnameを使えば回避できる.

\newenvironment{myalign}%
  {\begin{theorem}\csname align\endcsname}%
  {\csname endalign\endcsname\end{theorem}}

align*の場合も同様.

\newenvironment{myalign}%
  {\begin{theorem}\csname align*\endcsname}%
  {\csname endalign*\endcsname\end{theorem}}

ユーザー側で色々と回避の試みはなされているが,自分が試した中では上記が唯一成功した.
出典は以下のfrabara氏による2021年のコメント.
tex.stackexchange.com

なおこのエラーはalign(*)の実装に由来しており,除去は現実的に不可能であるらしい.
tex.stackexchange.com